実は天然記念物 2021/2/27


--昨日の浜辺で見つけた貝殻。面白い模様をしているなと拾い上げたら既に住んでいる方がいました。オカヤドカリです。海中にもヤドカリはいますが、奄美は陸地にもヤドカリがいて、陸に住むヤドカリをオカヤドカリと言います。島の人は丘は付けずにただ「ヤドカリ」と呼びますが、海岸付近にはたくさんいて簡単に出会えます。だからオカヤドカリが国指定の天然記念物だということを知らない人も多いです。天然記念物であることを伝えると「え!うそでしょ?」という反応が定番なほど。かくいう私もオカヤドカリが天然記念物だと知ったのは奄美の自然に興味を持つようになった20代後半です。驚きましたね。こんなにたくさんいるのに何故?と。でも理由を知ってなるほどとも思いました。もしも奄美沖縄が第二次世界大戦後に占領下に置かれなかったら、希少なものとはならなかったかもしれません。ある種の運命のイタズラです。そういうわけでオカヤドカリは、最も身近に出会うことのできる天然記念物と言えます。今でも沖縄の指定業者は捕獲販売が許可されていて、それがペットショップなどで販売されていて、天然記念物なのに飼育もできる不思議な立場の生き物でもあります。ちなみに許可無く捕獲して持ち帰ると天然記念物の法に触れますのでお気を付けください。浜辺などで出会ったオカヤドカリは持ち帰ってはいけません。もしかしたら触ってもいけないかもしれませんが、貝殻と間違って拾い上げることは多々あるでしょうね。まあ天然記念物であるか否かにかかわらず野生生物には優しく接したいです。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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