撮り初め / SIGMA 20mm F1.4 2021/1/10


--珍しく夜に買い出しに行くこととなり、出かけて帰ってくると見事な星空。これはSIGMA20mmの撮り初めチャンス。急いで準備をして外に出ると少し雲。庭で撮ろうと思ってた方角に雲がある。それなら海まで出てみるかと車に乗った。一番近い神の子へ。到着して道路沿いから撮ろうとしていると、何だかとても静か。異様なほど静か。そうだ風がない。もしかしてと海に降りて波うちぎわに近付くと、やっぱり。波もない。凪いでいる。冷たくて静寂な空気感。星の光と島の光が柔らかく光る。なんだかちょっと幻想的だ。さっきまで降っていた雨の湿度で光が乱反射しているのか、月は無いのに空が真っ暗ではない。薄らだけれど砂浜と海の境目も見える。もしかしたら海の中まで透き通って写るかもしれない。そう思って波うちぎわに三脚を立て、シャッターを切った。写った。透き通った海中の砂浜、海面に反射する星明かり、不思議と赤みを帯びた空、キラキラとまぶしいほどの星々。とてもいい色合いで写った。面白い。色々とずっと撮っていたかったけど、あっという間に終わりの知らせ。あらら、また雨が降ってきた。慌ててカメラをバッグに詰め、三脚を抱え、砂浜を走る。波うちぎわを随分と歩いたから、ちょっとした距離を初走り。雨と雨の合間にめぐり逢えた星空より、ランニングでの高揚が勝るほどに息を切らした。そういえば、思いがけず星を撮ることになったからアイデアがわかず毎度同じ場所に向かっちゃって、いつもと変わらない場所だから面白くないかなと危惧しながら運転していたけれど、着いてみたらそんなことすぐ忘れていた。行きながら頭に思い描いていた構図は一瞬で消え去って、目の前の自然から感じられる印象に次々と引き寄せられていき、撮りたいものや構図が決まっていく。そうしているうちに今まで撮ったことが無い景色にたどり着いている。最初の懸念とか何だったんだろう。思い返すと面白い。そんなとりとめの無いことを考えながら振り返ると、星は雲に覆われようとしていて、僕はコートの雨を軽く払い、車に乗り込んだ。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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