龍の目 / 鹿児島県大島郡龍郷町円
 photo & text by RyoBeppu / www.amamicco.net

龍郷町の円(えん)にあるとても短いトンネル「かがんばなトンネル」。この短いトンネルには、春と秋に夕日が重なります。かがんばなトンネルの夕日がまだマイナーだった頃、知人に誘われて夕日が入る瞬間を初めて見ました。その時、岬の岩が大きな生き物に見え、トンネルの目が光るように感じました。大亀のようにも見える岬のシルエットですが、やはり龍郷町だから龍がいいんじゃないかなと思い、勝手に龍の目と名付けて呼んでいたら、世間でも気に入られたようで一般的に龍の目と呼ばれるようになりました。

龍の目に夕日が入るのは、春と秋、それぞれ約1ヶ月ずつ。春は2月終わりから3月終わりまで、秋は9月中頃から10月中頃までです。条件は水平線までクッキリ晴れること。晴天に合わせて見に行ったけれど、水平線に雲があって入らなかったということもよくあります。そこはもう運です。

鑑賞スポットは、円集落をはさんでトンネルの対岸になります。春と秋は日没地点が毎日変わるので、鑑賞ポイントも日々移動していきます。初めての際は周囲の人に話しかけて「本日の鑑賞ポイント」を探りましょう。鑑賞ポイントの推測もできます。岬に夕日が隠れる際、トンネル1個分と少し左側に夕日を沈ませると、ちょうどイイ感じに夕日がトンネルに現れるでしょう。岬に夕日が隠れて約2分後、トンネルの左上から夕日が出てきたらバッチリです。斜めに沈みながらやがてトンネル中央に夕日がすっぽり入ることでしょう。なお、春は龍の目シーズン始まりの方、秋はシーズン終盤の方がトンネルは大きいです。

ちなみにトンネルの近くでも夕日は入りますが、とても小さな龍の目となります。やっぱりインパクトがあるのは離れた場所から見るトンネルいっぱいの大きな龍の目です。

夕日が入ると言うことは、想像に難くなく、月も入ります。月は入る季節が決まっていません。月は形を変えながら毎日沈む場所も変えるので、タイミングが合えば見られます。でも太陽に比べると物凄く光が弱く、水平線に近づくと霞んでしまうので、夕日よりもチャンスは薄いです。とにかく太陽にせよ月にせよ、龍の目が光るには幸運を祈るしかないということです。Good Luck !

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