マングローブ / 鹿児島県奄美市住用町
 photo & text by RyoBeppu / www.amamicco.net

奄美大島中部の住用(すみよう)川と役勝(やくがち)川が流れ込む住用湾に広がるマングローブの森は、国内で二番目の広さ。マングローブは潮が引くと干潟になり、満ちると海になる場所に生きる植物群のこと。メヒルギやオヒルギを中心とするマングローブの植物たちは、成長速度が遅く、他の植物たちとの日照権争いに負けてしまう中、塩水に浸っても生きられるマングローブのエリアに新天地を求めたわけです。

水に浸かる森を楽しむカヌーツアーなどが行われていて、水面を移動して間近でマングローブの森を楽しむことができます。また潮が引くと広大な干潟が現れるので、泥だらけにはなりますが歩いて散策することも可能。干潟にはカニ類やトビハゼなどがいて、片方のハサミだけが大きいシオマネキや、集団で行進するミナミコメツキガニを見ることができます。またピロロロロロロロロロと美しい音色が聞こえてきたなら夏鳥のアカショウビンです。自然の音に包まれる干潟の森。それが住用のマングローブです。

水平線から昇る朝日が見られるのは冬場だけ。暗い森を歩いて抜けるのは怖いし、深いと太ももまで濡れるのでオススメはしませんが、マングローブの木々の向こうに見える朝の風景は独特です。潮の満ち引きで風景が大きく変わることも魅力です。

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