北から南へ、南から北へ。国道58号を進むと、ほとんど海岸線に出ることなく龍郷町は過ぎていく。名瀬へ向かう最短ルートは、ビック2の前を通り本茶トンネルを抜ける方法だが、たまには海岸線を通るのもいい。
役場の信号が見えてきたら、さぁ、国道58号を脱線だ。ウィンカーを点滅させて東シナ海ルートへと向かおう。ちょっと遠回りになる東シナ海ルートだが、その途中には景勝地もあり見逃せない。
発電所のある瀬留(せどめ)を過ぎると、海岸に平家の漁法が見える。山手は自然観察の森への登り口だ。静かな入り江を眺めながら松並木の海岸線を走っていこう。ここ、龍郷湾内の景観は加計呂麻の大島海峡側と雰囲気が似ている。久場(くば)集落にさしかかると道路沿いに大きな松が立っている。西郷松だ。島に流された西郷隆盛は、久場に上陸しその隣の龍郷に居を構えた。愛加那と暮らした家屋もまだ残っている。もうしばらく走ると龍郷湾を抜ける。

今井権現の今井崎を横目にトンネルを抜けると、いよいよ東シナ海だ。夕暮れ時なら大きな太陽が目の前に飛び込んでくる。このルートの最大の魅力はこの夕焼けだろう。
ソテツの群生地、バショウの群生地、かがん花トンネルから秋名の田袋にいたるまで。波の音が聞こえる海岸線がずーっと続く。
太陽と海に近いドライブコース。東シナ海ルート。時間があったらぜひ走ってみたい。ただし、夕陽が海に沈むのは夏限定だよ。