市崎の朝 2020/11/29


--戸玉から市へ向かう峠を上り詰めると、道路沿いに視界が広がり、太平洋側の大きな海原が見えてくる。奄美大島の北側を望む島影が切り立ち、スーッと一直線に伸びる水平線。空も急に広くなる。そうしてたどり着いたのは市(いち)を見下ろす峠のポイント。トビラ島も見える。朝日はもう水平線を離れ、やがて山の端から顔を出そうとしていた。何となく間に合った。けど、思ってたのと違う。市崎の窪みの部分から朝日が見えたら・・と期待していたんだが、太陽の位置はそれよりちょっと右だった。なるほどな。今の時期はあそこなのか。ここで待っていたらやがて日が昇り、辺りを朝日が照らし始め、今朝の市崎の朝景が見られるかもしれない。でも、もっと何か良い場所があるかもしれない。ここまで来たのだ。もっと何かが見たい。僕は再びUターンし、来た道を戻りながら新たなる朝の風景を探し求めることにした。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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