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■ 桜を愛でるために  2/15

--人が桜を愛でるためには、色々と準備が必要なようです。まず、見通しがよくなるように桜の下の斜面に育っていた木々をばっさりと切り倒します。立派なシイや松の木も桜を見るのには必要ありません。次に、しっとりと根元をおおっていた下草をしっかり刈り取ります。刈り取り量は、土が露出して雨が降ると地面がグチョグチョになるぐらいか、もしくは残った草が枯れて黄色く染まるぐらいが良いでしょう。この草たちが、照りつける陽射しや打ち付ける雨から地面を守っているなんて考えてはいけません。少しでも草が生えてるなんてみっともないですから。それにハブがいたら怖いしね。続いて、桜を見に訪れた人がわざわざシートやイスを持ってこなくてもいいようにセメント製のテーブルとイスを用意しましょう。スペースがある所はそのまま設置して、もしスペースがとれない時には木を切り倒したり土手を削ったりして場所を確保してもOK。桜を見にくる人は花しか見ないんだから、とにかく桜さえ残してあれば大丈夫です。人が桜を愛でるためには、これぐらいの自然の犠牲は仕方が無いことなんです。

今日は愚痴ってごめんなさい。「みんなが便利になることならこれも仕方がないことなのかもしれない」とこれまで我慢していたのですが、今日行ってみたら土手を削ってまたひとつ、木を切り倒してまたひとつ。「いくらなんでもそれはやりすぎでしょう」と思ったので一筆書かずにはいられませんでした。ま、書いたところでどうこうなる問題でもありませんが。確かに生活の安全や便利さのために「必要」とされる工事はあります。でも、花を愛でるために場の風情を壊してしまっては意味がないと思うのは私だけでしょうか。ポッケにハンカチ一枚あれば、座るのには十分事足りたはず。シートを用意したりイスを持ってきたり、そういうのも含めて「行楽」は楽しいのではないのでしょうか。イスとテーブルは、あったらそれは便利でしょう。でも、せっかくの本茶峠を壊してまで造らなくてもいいと私は思います。しかも後付けで慌てて増やしたような昨日の作業は特にやりすぎ。旧い峠道の素敵な桜並木だったのに、もったいないな。

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